福田十二神楽
福田十二神楽は慶応元年(1865)頃に宮城県伊那郡丸森町から伝わったとされております。
歴史
出雲系法印神楽の流れをくんでおり、舞、音楽、継承をすべて少年が担うというのが特徴です。
地元に住む小学2~6年の少年たちが7年間を1代とする「神楽師」を務め、次の少年たちに継承していきます。継承後、先代が次代の「先生」となり稽古・引率を努めます。本神楽は福島県指定重要無形民俗文化財に指定されております。
特徴
神楽の基本
福田十二神楽は12種の舞から成立ち、以下の5点が込められています。
・「除災招福」 >>> 災いをなくし、幸福を呼ぶ
・「五穀豊穣」 >>> 米等の食べ物が豊かに稔(みの)る
・「家内安全」 >>> 家族が平和であること
・「無病息災」 >>> 健康で元気に過ごす
・「勧善懲悪」 >>> 良い行いを勧め、悪行を懲らしめる
奉納
神楽の奉納は諏訪神社の例祭及び宵祭り(例祭の前夜祭)において奉納することを基本としております。
・春季例祭宵祭り >>> 5/2 19:00頃より舞楽殿(神社境内)にて
・春季例祭当日 >>> 5/3 旅処及び舞楽殿(神社境内)にて
・秋季例祭宵祭り >>> 11/2 19:00頃より舞楽殿(神社境内)にて
・秋季例祭当日 >>> 11/3 舞楽殿(神社境内)にて
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■巫女の舞/明神の舞
舞の種類
巫女はこの座に明神を招くため、打掛けを纏い左手に鈴、右手に扇を持った美しい女性が優雅に舞を行い、それにつられて狐の姿をした明神様が現れ、巫女に親しみを持ち一緒に舞うという意味の舞です。
黒い顔のお面をかぶり腰に刀を差した舞人が幣束・刀を持って、神を招いた座の四方の罪・穢(けがれ)を清め、災いを除くという意味の舞です。
■幣束の舞/四方固めの舞
■恵比寿の舞
恵比寿の面をかぶり釣り竿の糸につけた鮒を四方にて釣り上げ大喜びをする所作を舞う。福を招く舞です。
■毘沙門の舞
2名の舞人が右手に剣を持ち、それを左右に振って四方 を舞う。邪悪を退治し、福を招く舞です。
■種子薪の舞
左手に種子を入れた木の器を持ち、四方に種子を蒔く所作を行う。五穀豊穣を祈る舞です。
■春日の舞
老婆に杖を取ったりいたずらをして困らせる鬼がいる。この鬼を退散させようと春日明神が現れ豆を蒔くが、鬼はその豆を食べたり邪魔をする。春日明神は怒って太刀を抜き、鬼を退治してしまう。勧善懲悪、弱いものをいじめると、神に罰せられるという舞です。
■二本剣の舞
天狗がつるぎをもって四方を祓い、次に太刀を左右に持って四方を祓う。霊力をもつ天狗が災厄を無くし、福を招く舞です。
■三本剣の舞
3名の舞人が刀を持ち一体となって舞います。四方を祓った後、各々がお互いの剣先を握り輪となり、太刀くぐりの所作を舞います。太刀をくぐることでさまざまな罪や穢れを払い清め、福を招く舞です。
■八幡の舞
2名が鶏冠を頭にかぶり、矢を腰に差し、弓を抱え、四方の角に矢を放つ所作を行う。諸悪を祓い、災いを無くし福を招く舞です。
■獅子の舞
最初獅子が現れ、勇壮に舞いながら四方をまわります。一巡した頃にひょっとこ(通称:だまし)が現れひょうきんに舞いながら、獅子をうまく眠らせてしまいます。そして獅子の口に白布をくわえさせます。うまくいったことに気をよくしたひょっとこは、扇子で鼻を叩いたり、口に加えさせた白布を取り返したりなどしていたずらを始めます。これに獅子は目を覚まし、怒ってひょっとこを追いかけます。最後は共に仲良く舞います。神人共存共栄の 意味が込められた舞です。